創業50年神社仏閣設計施工 織戸社寺工務所日本の美と匠の技を未来に傳える

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神社・寺院の石張参道・境内整備

境内整備

社殿や本堂に向かって歩くための「参道」は神社仏閣の「メインストリート」ですから、参拝者が安全に歩行できることが大切です。たとえば、参道は石張りにして、お年寄りでもつまずくことがないように、段差の無いなだらかな造りにします。

また、参道の周りは「砂利敷き」「玉石敷き」で舗装されていることが多いのですが、これは、雨天の際にぬかるんだり、強風の日に砂塵が舞ったりすることを防ぎ、参拝者の皆様に気持ちよくお参りしていただくためのも配慮です。

さらに、建物と参道の間に高低差がある場所には、参拝者が安全に登れる「石階段」やスロープの整備も大切です。

このように、神社や寺院の整備では、立派な建物や周辺建物が建っているだけではなく、足元を整えることも、とても大切なことなのです。参道や境内環境の工事も、宮大工の智恵と経験が活かされる仕事の一つです。

  • 敷石新設
  • 石張替え
  • 石段新設
  • アスファルト敷き
  • 改修
  • 造成
  • 手すり・スロープ

施工事例

事例紹介1 参道敷石 (メインストリートの整備)

参道敷石 (メインストリートの整備)1 参道敷石 (メインストリートの整備)2

社殿、本堂に向かう「メインストリート」の整備としては、参道を敷石にすることが一般的です。

敷石の素材には御影石を用いることがほとんどです。参道に使用する敷石は、神社やお寺以外にも同じような寸法で大量の需要があるため、比較的安価に使用することができます。この事例写真の参道も御影石で造りました。

ただし、車輛等を通行させる可能性がある場合には、敷石の下に基礎工事を行い、頑強に舗装する必要があります。人が歩くだけであれば基礎工事は必須ではないのですが、建物や樹木等のメンテナンスのための高所作業車、境内地の整備ための重機を入れる可能性がある場合には、基礎工事は行った方がよいでしょう。

また、万一の天災、人災なども考慮する必要があります。そのような場合には、復旧工事のための作業車等が入ることになりますので、基礎工事をしておいたほうが安心です。

もし基礎工事を施していない参道を自動車が通れば、石がズレてグラグラになってしまったり、割れてしまったりすることがあるからです。

事例紹介2 境内整備(砂利敷き)

境内整備(砂利敷き)1 境内整備(砂利敷き)2

参道を石敷きにして美しく整えても、参道の脇、周辺が整備されていないと、参道が砂や泥で汚れて、せっかくの美観が台無しになってしまいます。

理想を言えば、境内地全面を石張りで舗装することです。そうすると、砂が舞ったりぬかるんだりする心配がなくなるのですが、高額な費用が掛かってしまいます。そこで、この事例写真のように、参道を石張りにして周辺を砂利敷きとすることで、費用を抑えつつ、美観と、足元の安全性を確保します。

ただし、砂利敷きには欠点もあります。それは、落ち葉の対処で、樹木の多い境内では掃き掃除がし難くなってしまうのです。そこで、砂利敷きをして、砂利を固める接着剤を用いる方法もあります。工事費が多少割り増しになりますが、メンテナンスは格段に楽になります。

また、砂利を敷かずに土や砂にセメントを混ぜて固める方法もあります。

なお、境内の掃除については、竹箒での清掃にこだわらなければ、最近ではブロワーを使用して、落ち葉を吹き飛ばす清掃法を採用していることも多々あります。ブロワーを利用すれば、砂利敷きの場合でも、苦労なく落ち葉の掃除ができると思います。

事例紹介3 境内整備(玉石洗い出し)

境内整備(玉石洗い出し)1 境内整備(玉石洗い出し)2

玉石洗い出しは、石や砂利をコンクリートで完全に固める方法です。石が動いたり、落ち葉が石の間に入り込んだりするのを防ぐことができるため、見た目は美しく、メンテナンスもとても楽になるというメリットがあります。

ただし、この工事は左官屋さんの手作業になるため、費用は高額になります。

そのため、あまり広い面積ではなく、社殿や本堂の軒下の部分だけ、参道の周り数メートル、本殿の周りのみなど、施工場所を限定するケースが一般的です。

玉石洗い出し造りにすることで、景観を良くし、同時に大事な建物周りの水捌けは格段に向上するでしょう。

事例紹介4 石階段

石階段

高低差がある場所には、石階段を設置します。

階段が必要なほどの高低差がある神社仏閣の境内は、恭しい風情が出るのですが、ご年配者にとっては苦痛の種になってしまいます。

そこで、勾配を緩くして、上りやすくするために、階段の一段一段の高さ (蹴上寸法) を低くするようにします。健脚の人にとっては歩きにくいほど一段の高さが低ければ、足腰が弱っている方でも登ることができます。

また、その様な階段であれば、車椅子で介助の方がいらっしゃれば、5段、10段程度なら車椅子のまま登ることも可能です。さらには、敷地に余裕がある場合には、途中に踊り場を設けると、より良いでしょう。

なお、石段には手すりを付けることは当然ですが、最近では、この事例写真のように、部分的に地面と水平になっている、波型形状の手すりも多くなっています。見た目には、やや違和感があるかもしれませんが、実際に使用してみると、握力に自信のない方でも滑りにくく、安心して掴めると思います。

事例紹介4 石階段

石階段の施工事例(施工前)
石階段の施工事例(施工後)

こちらの寺院は、お堂の前の階段を上がってお参りをする形になっていますが、その階段がとても急で、ご年配の方は、階段を上るのに大変苦労されていました。

そこで、思い切って広めで手すりがついた安全なスロープに変更することになりました。

高欄も設置され、「お祭りの時など混んでいる時にも、安心してお参りできるようになった」と喜ばれる参拝者がたくさんいらっしゃいます。事故対策にも大きく貢献しています。

石張参道・境内整備の工事・リフォームでよくあるご質問

当神社は周りを木に覆われていて、落ち葉の掃除に苦労しています。砂利敷きにしてしまうと、さらに落ち葉のそうじが大変になってしまうので、境内地全面を石張りにすることを検討しています。

実際に、全面を石張りにすることは可能でしょうか。また、その際に気を付けるべきことを教えて下さい。

境内地全体を石張りにすることは可能です。

ただし、その場合には、車輛が通行することを前提としなければいけませんから、石工事の前に、しっかりとした基礎工事も必要になります。

そして、もう一つ忘れてはいけないのが、雨水処理の問題です。砂利や土ならば、少々の雨水なら吸収してくれますが、石は水を吸いませんから、どこかに流さなければいけません。近年では「ゲリラ豪雨」と呼ばれる集中豪雨も珍しくありません。そのような豪雨で発生する大量の雨水を考慮する必要があります。工事を始める前に「雨水をどこに、どうやって流すか」を決めて、勾配を付けることを考慮した設計を行うことが必須です。水勾配の配慮を怠ると、どこかに水たまりができてしまったり、大切な建物が水浸しになってしまったりすることがありますから、勾配の設計は要注意です。

なお、「境内地全体を石張りほどの予算はないが、土や砂利以外の方法はないか?」という場合にお勧めしているのは「アスファルト敷き」です。石張りほど費用はかからず、水勾配や排水施設さえしっかりと設計すれば、雨水処理も、車の通行も問題ない、ということで、境内をすべてアスファルト敷きにする神社仏閣は、増えています。ただし、「美しい社寺建築と無機質なアスファルトとのバランスをどう捉えるか?」というところは好みの分かれるところです。将来の維持管理の問題か、社寺建築の景観を優先するのか、やはり最後は、施主様の判断になるかと思います。

それぞれの神社仏閣によって、立地条件・高低差・周辺隣地の状況など、検討すべき要因は様々にありますので、まずは、神社仏閣の専門業者である宮大工にご相談ください。

工事費用の目安

石張参道・境内整備の場合には、施工範囲や工事内容が多岐にわたるため、平均的な工事費の目安を算出することは出来かねます。

お問い合わせをいただければ、最善のご提案ができますよう致しますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

まずは、お気軽にお問い合わせください。
当工務所は見積・相談 無料です。

参道や境内環境の工事は、各神社様・各寺院様、様々なご要望や諸事情があると思います。ある程度のお話を伺えば、御見積もできます。電話やメールの内容だけでも、概算見積が可能なケースもあります。遠慮なくお気軽にご相談ください。

「宮大工は忙しいだろうから、こんなことを訊いたら申し訳ない」と遠慮なさらず、ぜひお問い合わせください。