創業50年神社仏閣設計施工 織戸社寺工務所日本の美と匠の技を未来に傳える

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仕事の流れ・スケジュール

宮大工へのご相談から完成・引き渡しまでの流れ

1 神社・お寺の独自性をヒアリング

まずは、宮大工にご相談の経緯と、建物に関するご希望などをお聞かせください。

  • ・ 主宰神、ご本尊がどういった神様・仏様なのか?
  • ・ その土地と社寺建築にまつわる歴史や時代様式についてはどうか?
  • ・ 神社・お寺を代々護られてきた宮司様・住職様のお気持ち
  • ・ 歴史を大切にするのか、進化を大切にするのか、あるいはその両方なのか

他にも、「うちの神社では、お祭りのときに、境内で御神輿を担ぐので、広い場所が必要です」「うちのお寺では、大みそかの『除夜の鐘』に多くの方が集まるので、鐘楼堂とそこに向かう参道が大切なんです」など、その神社・お寺の“独自性”を探しながら基本的なプランを作成していきます。

2 現況調査(測量・地盤調査)

様々なお話を伺い、そのご要望を実際の社寺建築として形にするために、現時点での土地と建物の様子を把握することも大切です。限られた境内地の中で、最善の配置計画をするため、測量・実測調査を行います。また、境内には、末社・お堂・石碑など、様々な建物があると思いますが、ただ建物を建てるだけではなく、境内地全体の位置関係をトータルで考え、参拝者の歩く動線も考慮する必要があります。

また、建立予定地の「地質調査」も行います。地質調査の実施は地震対策としても有効であり、最近では、調査実施は必須となっています。調査結果の数値を見て、場合によって地盤改良や杭打ちの必要性を判断します。

3 設計案のご提案

施主様のご要望や現地調査の結果をもとに、設計図面・御見積を作ります。

この第一案をベースに、何度も協議を重ね、建築計画を固めていきます。

図面とご説明だけではイメージが伝わりにくい場合には、設計案に似た建物の写真を見てき、あるいは実際の社寺建築を見学していただく場合もあります。

また、建物の規模によっては、社寺建築に精通した設計事務所にも設計内容を検討してもらいます。

通常は建築確認申請の手続きが必要になりますので、役所手続きは設計士に依頼します。

なお、建築確認申請の手続きを進めるにあたり、都市計画法などの法規についても検討します。特殊な条例がある地域では、確認申請の許可が下りるまでに半年、あるいはそれ以上の日数がかかる場合もあります。工期について「○○年の例祭までに完成させたい」などのご要望もあるかと思いますので、余裕を持って工事計画をお考えいただきたいと思います。

4 ご契約

設計図と見積書の内容について、施主様・建設委員の皆様にご納得していただくまで協議し、修正や改善を重ね、最終決定となれば、「建築工事請負契約書」を作成し、工事契約の締結となります。

工事契約に際しては、工事費の一部を「契約金」としてお預かりいたします。(この契約金は木材資材費となります)

契約金は、工事の規模にもよりますが、一般的には工事費の1/3~1/4です。

5 工事スタート

工事契約締結となれば、いよいよ工事開始です。

まずは、木材を発注します。施主様からご希望があれば木材検査として、用意できた材木を見ていただくこと可能です。

なお、長尺の材木や大径材など、特殊な材木を必要とする工事では、数カ月程度、木材を乾かす時間が必要になる場合があります。

一方、大工は設計図面に基づいて原寸図・原寸型板を作成します。反りのある部材などは、その原寸型板をもとに 材木の発注・加工を行います。

原寸図
原寸図

建立予定地では、「地鎮祭」をし、その後、基礎工事を開始します。

基礎工事では、地盤改良や杭打ち、整地・ベースコンクリ打設など進めていき、基礎が出来上がれば、大工による建方が始まります。

土台・柱・梁など、主要な構造材から建て始め、まずは屋根を塞ぎます。

屋根ができるころ、施主様のご希望があれば「上棟式」を行います。

その後、床・天井・壁など、室内の造作工事を順次施工し、完成まで工事を進めていきます。

建物が完成し、外構工事・景観整備などが終われば、役所の完了検査となります。完了検査を受け、施主様の承認を頂けば、引き渡しとなります。

6 定期訪問による確認

完成後1年以内に訪問し、建物に問題がないか調査します。この時に、もし施主様が気になっていることがあればお話を伺い、さらに細かく調べて、必要に応じて補修・調整・手直しをします。

木造建築は、天候や湿度の影響、時間経過によって、「動く」ものです。そのため、定期的に点検し、必要なメンテナンスをしていくことが大切です。社寺建築は何百年も残るものですが、それは適切なメンテナンスがあればこそなのです。少しでも気がかりなことがあれば、施工者の訪問を待たず、すぐにご連絡ください。

社寺建築の予備知識

神社仏閣の新築・増改築などをお考えの方が、建築業者に相談する前に、予備知識として、ぜひ知っておいていただきたいことをいくつかご紹介します。

① 建築計画
どのようなものを建てるのか、大まかで構いませんので、建物の概略を考えておく必要があります。今現在の建物があれば、それを基準として、間取りや建物の規模をご検討ください。また、他の神社仏閣を見て回って、ある程度イメージに近い建物をいくつかピックアップしておくと良いと思います。新しい社寺建築が完成すると、想像以上に参拝者やご祈祷などが増えて、「新しく建てたのに、手狭になった」という事も少なくありません。予算や敷地が許すなら、大きめの計画をすることがお勧めです。

② 材木について
社寺建築で多く使われる材木は、桧・ケヤキ・杉・松・青森ヒバ・米ヒバ・米松など、様々なものがありますが、材種と等級(節のある無し)で金額は大きく異なります。やはり、実際の建物に使われている木材を見て、希望として何を使いたいか決めておくと良いと思います。
ただし、どんな名工が腕を振るっても、木材が乾燥していなければ、「狂い」が出たり木が痩せて緩みが出たりします。材木屋さんによっては、何年も寝かせておいた乾燥材を持っているところもありますので、そういう材木を使うことが理想です。
それでも太い材木はなかなか芯まで乾きませんので、早々に穴を掘ったり切ったりして、建てる寸前まで乾燥に心がけ、最後に寸法や穴ほぞを修正して仕上げます。こうして木の縮みやねじれが建物に悪影響を及ぼす事を防いでおります

③ 屋根について
社寺建築を計画するに当たり、重要な要素の一つとして屋根をどうするか、という問題があると思います。一般的な感覚として「お寺は瓦、神社は銅板」と言われることが多いのですが、実際には特に決まりはありませんし、現代では技術も研究され耐久性については大きな差がありません。瓦屋根は見るからに重厚な雰囲気があります。銅板屋根は自由な線を演出できるので芸術的な美しさが魅力です。それぞれの特徴をしっかりと理解してご検討ください。

④ アフターメンテナンスの有無
建物全体の重みがなじんで落ち着くまでには、およそ1年以上はかかります。それまでは、屋根瓦に不具合はないか定期的にチェックしたり、建具のすべり調整をするなど、細かいメンテナンスは必要です。
住宅メーカーなどでは最近でこそ『○○年保障』などは当たり前になりましたが、当社では『○○年保障』ではなく一生お付き合いさせていただきます。どのような些細な事でも即座に対応いたしますので、いつでもお気軽にご相談ください。

【要注意!】こうなったらご相談ください

★建具の不具合 
「スムーズに開閉できない」「異音がするようになった」などが考えられます。「力を入れれば動くから」と言って放置しないでお気軽にご相談ください。

★日陰部の処置
大きな構造材などはすぐにどうにかなるものでもありませんが、常に雨風にさらされる所や日当たりの悪い場所などは、どうしても他より早く傷んできます。日なたと日陰では早い場所は3~5年で差が出てきます。気になったらすぐにご相談ください。

★各部のきしみ音など
木造建築全般に言えることですが、季節の変わり目や、晴天が続いて急激に乾燥するときには「きしみ音」が聞こえることがあります。木材は生きています。何十年経っても、百年を過ぎても、湿度の影響などで収縮しています。「なにか音がするからすぐに壊れる」と言うことはありませんが、御心配であればすぐに施工業者にご相談ください。