創業50年神社仏閣設計施工 織戸社寺工務所日本の美と匠の技を未来に傳える

tel.047-453-5616 千葉県習志野市

宮大工になりたいあなたへ

「宮大工になりたい」と思ってこのページを読んでくださっているあなたは、「そのために、具体的に何をしたらよいのか?」「どういう手順を踏めば宮大工になれるのか?」という疑問をお持ちかもしれません。このコラムでは、宮大工になる方法についてまとめてみました。

ちなみに、宮大工になるためには国家資格などはありません。つまり、「宮大工であることを証明する基準」がないのです。ですから、「自分は宮大工である」ということの証明は、自分自身の腕前や実績がすべてであると言えます。もちろん、建築大工技能士などの資格を持っていれば、大工としての技術を保証するものにはなりますが、宮大工としての明確な資格や基準がないために、宮大工になる方法は余計に分りにくいのかもしれません。

宮大工になるための手順として、一番 “手っとり早い” 方法は、「宮大工の工務店に就職する」ことです。つまり、「実践で身に付けていく」というやり方です。宮大工の弟子入りや見習いを募集している工務店を見つけ、そこに応募します。もちろん、一人前の宮大工として活躍するには、簡単なことではありません。普通の大工よりも多くの知識と経験が必要になります。一般的には、一人前の宮大工になるためには、およそ10年にもおよぶ修行が必要だと言われています。

ただし、「宮大工になりたい!」「どんな苦労をしても宮大工になるぞ!」という強い熱意と、しっかりとした準備ができていれば、一人前になるのに10年かかるところが7年で済むことも珍しくありません。つまり、本人のやる気と努力次第で違いが出てくるのです。

本コラムでは、そのような熱意のあるあなたが、工務店に就職する前にしておくべき「準備」や持つべき「心構え」についてアドバイスしたいと思います。

【年代別】宮大工になるための準備とは

(1) 中学生以下の方へ

現在中学生以下の方であれば、建築科のある高校への進学をお勧めします。かく言う私も、工業高校の建築科を卒業し、宮大工の工務店に就職して、現在では宮大工の工務店の社長になりました。高校の授業の内容でも、建築の基礎的なことは十分に学べます。そのぐらいの知識があるだけでもずいぶん有利になります。なお、昔の大工さんが「俺なんか中学しか出てないよ」という話しも良く聞きますが、図面を読んだり、専門書を読んだりすることを考えると、ある程度の建築に関する知識は必要になります。やはり、工業高校建築家卒業程度の学力はあった方が良いでしょう。

(2) 高校生の方へ

現在高校生の方で、大学へ進学してから宮大工になることを考えるならば、やはり、建築について学べる大学のほうが、その後の仕事には圧倒的に有利です。たとえば建築構造についての知識を持つことで、宮大工としての仕事を始めた時から、今行っている仕事が全体のどの部分の仕事なのかが見えやすくなりますから、仕事の全体像を掴む力もついてきます。

また、在学中に建築士や施工監理技術者等、就職面で有利になる資格を取得できる大学を選ぶのもよいでしょう。

さらに、建築に特化した、専門学校などもお勧めです。また、最近では宮大工養成をカリュキュラムに組み込んだ大学なども増えてきました。そのような進路はとても良いと思います。万全の準備をするならば、大工としての仕事を体験する実務教育(インターンシップ制度)を取り入れている学校がよいでしょう。

もし、普通高校に在籍の方が、卒業後にすぐに就職したい場合は、ある程度の苦労を覚悟しなくてはなりません。建築についての知識が無く、大工道具を使った実技経験も全くない状態で宮大工の工務店に就職するとなると、文字通り、右も左もわからずに仕事をすることになります。

その場合は、まずは、建築の本を購入して基本的なことを独学で学ぶことが大切です。少し大きな書店に行けば、一般建築に関する本や大工さんの基礎知識に関する本、社寺建築に関する本、宮大工に必要なことを学べる書籍も手に入れる事はできます。

少しずつでも知識を増やすことは、とても重要です。また実際に、大工道具を使いこなせること、刃物を研いだりできるようになることは非常に大事です。これについては、書籍で知識として学ぶだけでなく、実際に大工道具を購入し、自宅で、「刃物を研ぐ」「道具を使ってみる」という機会をつくり、慣れていくしかないでしょう。

(3) 大学生の方へ

現在、大学の建築学科に在学中で、建築知識と実務経験を積んできた方は、そのまま宮大工の工務店に就職すればよいでしょう。大学の進路指導に相談したら、宮大工の工務店からの求人や、宮大工の社長を紹介してもらえるかもしれません。もちろん、社寺建築に関する知識は不足していると思いますが、書籍などで勉強しながら仕事を覚えていけば大丈夫です。技術的なことも、始めはうまくいかなくても徐々に習得していけば良いのです。

建築とは関係のない学科に在学されている場合は、普通高校の方での説明と同じように、建築知識に関する勉強をして、大工道具を使う実務経験を積むことをおすすめします。条件は限られると思いますが、大学に入学して間もなければ、建築学科に移籍するという方法もあるかもしれません。

(4) 一般建築の大工さんへ

この場合は、雇用主からすれば「即戦力」と言えます。宮大工は特殊な技術を持った大工であることは確かなのですが、基礎的な技術は一般大工と同じです。木材を手加工で細工し、建物を造ること自体は宮大工と同じです。

もちろん、宮大工ならではの仕事はあります。反ったり曲がったり、丸い部材の加工などは、一般建築には無いものですが、大工さんとしての技術があれば、覚えるのは時間の問題でしょう。当社でも現役の一般大工の方なら、即戦力として現場で活躍していただくことができます。

なお、一般企業にお勤めの方、建築の知識や技術が全く無い社会人の方が宮大工になりたい場合、普通高校に通われている方と同じような勉強と実務経験が必要です。そして、まずは見習いからですので、普通高校の方と同様の苦労を覚悟しなくてはなりません。

熱意が最大の元手

さて、どのような経歴の方にも共通に言えることがあります。それは、本気で「宮大工になるんだ」という意気込みです。これは、どのような仕事においても、共通することですが、熱意や情熱、あるいは志が何よりも大切なのです。それさえあれば、多少不器用な人でも大丈夫です。いずれ、立派な宮大工になることができます。

私自身、昔から、新しいことを覚えるのに時間がかかるタイプでした。手先が器用だったわけではありません。しかし私は、18歳の時に宮大工の修行を始めてから30年間、飽くことなくこの仕事を続けています。それはこの仕事が好きで、私にとって生き甲斐そのものだからです。

日本の社寺建築は外国人を魅了し続けています。有名な神社仏閣は海外からの観光客でいっぱいです。そのような、荘厳な佇まいの社寺建築を自分の手で完成させたときには、大きな喜びがあります。

自らの手で建てた、流麗な神社仏閣に引き寄せられて参拝者が増え、賑わう姿を見た時には、大きな感動を味わうことができます。

当社では、「素晴らしい日本の伝統技術を身に付けて、この手で立派な社寺建築を建ててみたい」という方をお待ちしています。

ただ、一朝一夕に一人前の宮大工になれるわけではありません。見習いになって始めのうちは、今造っている部材が、完成する建物のどこのパーツになるのかも判らない状態ですから、忍耐強くコツコツと知識を積み上げるような気構えが必要です。

何より「立派な建物を造りたい」という持続する情熱が、立派な宮大工になるために重要な要素であると言えます。

〔織戸社寺工務所が求める人材〕

  • ・ 日本伝統建築に興味関心が強い方
  • ・ 素直で明るく積極的な人
  • ・ 粘り強く一流の宮大工を目指す方
  • ・ 健康で体力に自信のある方(宮大工は体を使う仕事です)

当社では、宮大工になりたいという情熱を持った方を、適宜募集しております。宮大工募集の詳細は「宮大工の募集」をご覧ください。

小冊子プレゼント

織戸社寺工務所お問い合わせ