小室八幡神社鳥居(千葉県船橋市)
小室八幡神社 施工内容鳥居解体修理工事 |
永い時を経た古い木材を活かし、さらに数百年の風雪に耐える強靭な鳥居に生まれ変わりました。
ご依頼の経緯
こちらの宮司様とは、神社庁の集まりなどで何度かお会いしたことがありました。
今回の鳥居工事に当たっては、「できるだけ既存の鳥居の部材を再利用して予算を抑えたい」というご希望がありました。既存の部材を使用すると、新築よりも強度を出すことが難しく、難易度が高い工事となるため、「専門家である宮大工に頼むべきである」とのことで、当社へご相談をいただきました。
工夫したこと
この「鳥居」は周辺の区画整備や道路整備に当たり移設されたものでした。その時の施工方法そのものには問題はなかったようですが、以前よりも崖面に近づいたため、土砂や落ち葉が柱根元に堆積し、湿気をためてしまい、柱と屋根部分が腐っていました。
柱はケヤキの丸柱だったこともあり、予算を抑えるため、「部分的な修理でなんとかならないか?」というのが施主様のお考えでした。
しかし、実際に現地にて細かく調べてみると、根元だけではなく、もう少し上の部分も腐っていました。その結果、補修範囲は施主様が考えていたよりも増えてしまいましたが、永く遺していくべきものなので、「予想していたより修繕費用はかかるがしっかりと修理しよう」ということで、工事が始まりました。
長さ4mほどの柱の三分の一ぐらいのところで根継ぎをしました。鳥居を支える控柱は、ヒノキ材で新調し、屋根板も新しくしました。基礎石はまだ使えましたが、高さが狂っていたため、表面を削って高さを揃えました。