長林寺客殿(千葉県千葉市、真言宗)
長林寺 施工内容客殿新築工事。34坪 |
「使い勝手の良い客殿を」という施主様の思いに応え、打ち合わせを重ねた結果、大勢の人が憩える客殿ができました。
ご依頼の経緯
この長林寺は、35年前に当社の先代が本堂を建てさせて頂いたお寺です。この新築工事を機縁として、それ以来、地元の檀家様の篤い信仰心によって今日まで護られてきました。
この本堂では、年中行事や法事だけでなく、地域のコミュニティー、憩いの場としても利用され、地域住民の交流の場となっていました。しかし、本堂には水場やトイレもなく、集会などで多くの人が集まるには何かと不便でした。
そこで、集会所として、より便利に使える客殿の新築を希望する声が上がり、本件の客殿新築のご相談を頂きました。
工夫したこと
ご要望は「多くの人が集まり、飲食もできる客殿を造りたい。大広間、調理場、複数のトイレ等が必要だ」ということでした。そこでまず、限られた敷地に最大サイズの建築面積で客殿を建てることになりました。
トイレの数や調理場等の設備の使い勝手を良くしつつ予算も考慮するため、幾度となく施主様と協議を重ねました。
社寺建築では、 “軒の出” (屋根の大きさ)が深いほど恰好いいのですが、限られた敷地に目いっぱいの客殿を建てるために、敢えて “軒の出” を少なくし、建築面積を優先することになりました。
特に工夫したのは、最大で80人以上が座れる大広間です。一部屋に80人もの人数を収容する木造建築を建てるとなると、どうしても費用が高くなってしまいます。
それでもあきらめず、施主様と協議を重ねるうちに、「大広間に面する廊下をホールとして広く取り、さらに、ホールをカーペット敷きにすることで、部屋に入りきれない場合には廊下にも座れるようにする」というアイデアが出て、この課題を解決することが出来ました。
これでスリッパなどを用意する必要もなくなったため、多くの人が一堂に会しても玄関での煩わしさもなく、またスリッパの収納場所も不要なため、玄関を広く使うことができ、「使い勝手が良い」と評判を戴いております。