船玉神社(千葉県船橋市 船橋大神宮境内社)
船玉神社 施工内容舟の舳先をモチーフにした社殿新築工事 |
舟の舳先を模した斬新な社殿。常識にとらわれず、施主様の夢を形にすることを考えて施工しました。
ご依頼の経緯
船橋大神宮様からは、先代の頃より、さまざまな工事をお任せ戴いてきました。本件の社殿新築工事も、そのご縁でご相談を受けたものです。
元々あった御社が古くなってだいぶ傷んでおり、部分的に木の腐りが見つかり、見た目も古びていたので、「思い切って建て替えよう」という話なりました。
工夫したこと
この「船玉神社」は漁業の安全を護る神社です。宮司様は「だから、舟の舳先をモチーフにした神社を建てたい」と仰ったのです。
これはまず前例のないことだったので、参考にする社寺建築はありませんでした。そこで、宮司様はイメージする建物をスケッチしてくださいました。(これがとても上手なスケッチでした。)
宮司様のスケッチは、船の舳先をモチーフにした形から始まり、細部にわたって宮司様のこだわりが余すところなく表現されていました。神社建築としての様式、決まり事からは逸脱している部分もあったのですが、第一印象として、私は「これは面白いなぁ!」と思いました。そこで、私どもは、宮司様のご意向を出来る限り忠実に形にすることを決めました。
まず、スケッチを基にして図面を起こしました。そして、屋根と高欄を舟の舳先の盛り上がりに合わせて迫り上げる造りにするなど、宮大工の技術を駆使して、写真のような形状の神社が完成しました。
神社建築の様式としては前例のないものですから、ご批判の向きもありましょうが、図面の段階で宮司様にご快諾いただき、工事がスタートしました。他にはない、珍しい形の神社が実現し、宮司様は「よくできた。よくできた」と喜んでくださったのを今でも覚えています。