安房栖神社(千葉県柏市)
安房栖神社 施工内容新築工事:社殿・手水舎・社務所 |
お客様のこだわりと宮大工の技の融合。ご予算を抑えつつ意匠性の高い建築が実現しました。
ご依頼の経緯
以前、当社が新築工事を手がけた廣幡八幡宮の宮司様が、この安房栖神社を兼務されていたため、こちらの工事についてご相談を受けました。
当時は、境内の大部分が樹木で覆われていて、森林のような境内地の一角に小さな御社と社務所が建っていました。しかしその御社は、小さいながらも、歴史のある立派な造りの御社でした。
宮司様の最初のご希望は、「不要な雑木を伐採し、境内地をとして相応しくなるよう整備したい」「既存の社殿を本殿として覆屋殿で囲い、幣殿・拝殿を新築し、より本格的な神社建築である『権現造り』の立派な社殿にしたい」というものでした。
工夫したこと
そこでまず、宮司様をはじめ、建設委員の皆様ともお打合せを重ねました。そして、ご希望を詳しく伺った上で設計案とお見積の提示をさせて頂きました。
このプロセスを数回重ねて、皆様のイメージがほぼ固まったのですが、イメージが出来てみると、宮司様や建設委員の皆さまの中から「例えば、ここをもう少し立派にしたらどうか?」「ここの装飾をプラスしたいが、修繕費用はどのくらい上がるのか」など、追加のご希望が出てきました。
私どもは、それらのご要望は「地域の神社を立派にしたい」という思いが詰まった大事な要件だと受け止め、その一つ一つを設計案に盛り込み、再度見積をしました。中でも工夫を要したのは、当初の設計案とのバランスを考慮しつつ、施主様の希望を取り入れ、なおかつ価格を抑えることでした。
努力の甲斐あって、完成した御社殿は、皆様のこだわりが詰まった大変素晴らしい神社となり、皆様に喜んでいただけました。
アーカイブ
施工前の正面写真です。境内の大部分が樹木で覆われており、奥に小さな御社が見えます。
まず、不要な雑木を伐採し、整地しました。その後、広くなった境内地の奥のほうに既存の社殿を曳家し、本殿として、覆屋殿にて囲いました。
屋根の中の様子です。完成後には見えなくなる部分ですが、屋根の重量を支え、屋根の反り・曲線の美しさを永く遺していくために、宮大工の技術が試されるところです。
唐破風が設計図通りに組みあがりました。屋根に防水シートを貼ります。この上に銅板屋根を施工していきます。
拝殿がほぼ完成しました。この後は、建物の周りを整備する外構工事を進めていきます。
手水舎が完成しました。以前は屋根もなく、小さめの水鉢があるだけでしたが、その水鉢を再利用し、水鉢のサイズに合わせた屋根をかけました。
社務所も完成し、立派な神社ができました。完成間近です。
正面入口の石段は、古くなり傾いていましたが、石をすべて新調し、安全で入りやすい神社になりました。入口の鳥居はそのまま活かし、参道途中の鳥居を新築しました。