創業50年神社仏閣設計施工 織戸社寺工務所日本の美と匠の技を未来に傳える

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社寺建築が完成するまで

宮大工が建てる社寺建築

神社仏閣の建造物は人間の生存に緊急に必要でないためか、発起から着工までの時間が長くかかるのが一般的です。また、宮司、住職、総代、建設委員等の方々の気苦労も一通りでなく、多くの時間を費やし、金銭、物品等も他よりも多く奉納し、重ね重ね努力して、合議の上施工者に相談という次第になるかと思われます。

ご相談を受けました当工務所と致しましては、まず現地に赴き、祭神または宗派によって建物の姿を仮定し、資金など皆様のご希望を考慮して現地に合う建物を設計いたします。第一案として積算し施主様と協議して、種々修正または変更しながら幾度かの協議を繰り返して大体ご納得の行く線に至りますと、決定し正式に契約と相成ります。

材木について

契約後は資材代金を頂戴し、速やかに資材を購入し、木材等は調書に基づき製材し、天然乾燥いたします。材木の大きさにもよりますが一年以上は乾燥させることが理想的です。

どんな名工が腕を振るいましても、木材が乾燥していなければ、たちまちガタがきます。

また太い材木はなかなか芯まで乾きませんので、着工早々に穴を掘ったり切ったりして、建てる寸前まで乾燥に心がけ、最後に寸法や穴ほぞを修正して仕上げます。すなわち、二度手を加えます。こうして木の縮みやねじれを防いでおります。

自然乾燥中の材木
自然乾燥中の材木

柱材には背割りを入れます
柱材には背割りを入れます

工事開始

着工いたしますと、まず始めに、設計図面をもとに実物大の原寸図を書きます。その原寸図から型板を作ります。曲がった材、くねった材、丸い材などは、その型板通りに挽き、造作材以外はすべて加工して建前に備えます。

いろいろな形の原寸型板
いろいろな形の原寸型板

丸柱は八角で注文製材したものを十六、三十二、六十四と、次第に角を落として最後は丸鉋で仕上げます。彫刻物は大工が始めに穴やほぞを付け、現場に収まるようにしてから彫刻師に渡します。彫刻師はこれに絵を描きノミを入れていきます。百本近い数の様々なノミを絵様に合わせて使い分け、彫刻を仕上げます。この間には基礎工事も進行し、建方の日取りなどを相談いたす頃となります。

屋根を支える

六尺以上もの軒の出を支えるためには屋根の中には、それに耐えるほどの多量の木材を入念に施工しております。

軒先を支える括木(はねぎ)
軒先を支える括木(はねぎ)

これをおろそかにした場合、程なく軒先のたわみ・ゆがみ等が生じ初期の寸法と線が崩れ、見た目も醜くなるだけでなく、雨漏りの原因にもなります。当方ではそれをおそれ、屋根裏の見えない所にも、十二分に留意して施工いたしております。

釘を使わない宮大工の話

木造建築の構造体は、しっかりとした技術があれば、釘を使わなくても建てる事は可能です。しかし、現在ではボルトなどの様々な金物が発達しているため、金物を使って安上がりに、しかも丈夫に施工することができます。

釘金物の寿命にも限度がありますので、急所に使う金物はステンレスのものを使用します。昔は、釘金物が貴重品で高価だったため、大工は智慧を使い工夫を凝らし、高度な継手や仕口を駆使して建物を組上げました。また、野地板として竹を割り、縄で結んで瓦下地とした事例もあります。

「宮大工は釘を一本も使わない」という言葉を実行することも可能ですが、実際には、工期や予算のことも考慮し、必要な場所には釘金物を使用します。

屋根について

屋根材としては昔から瓦、銅板、檜皮、板、草(茅など)、石材など、種々ありますが、現在では瓦と銅版が多く使われます。近頃、神社などに多い銅板葺きは、元々は桧皮葺の模造葺でした。

鶴見総持寺の大祖堂の屋根などは銅板による瓦葺様式で、日光東照宮の屋根もまた同じです。

瓦葺には大きく分けて本瓦葺と桟瓦葺があります。本瓦葺とは平瓦が三枚重ねとなり、その堺に丸瓦をかぶせて葺き上げます。寺院などに理想的な葺き方ですが、高額な費用のため桟瓦が多く使われます。本瓦葺ですと、構造も桟瓦に比べ三倍も太い材を使わなければなりません。

銅板葺きの作業
銅板葺きの作業

銅板葺は、ある時代(明治―昭和初期)には、職人の主観から薄い銅板をさらにナマシてやわらかくし、野地板に吸い付くようにピタリと張って腕の良い職人だと言われた事もありましたが、現在ではその愚が反省され、継ぎ箇所のハゼをわざと起こし、毛細管現象による逆水の浸入を防いでいます。また銅板は温度変化による収縮も大きいため、大屋根の場合、所々に収縮できるよう特殊な細工を施します。

社寺建築は、屋根が出来上がれば工事の七割方ができたことになり、完成が間近でございます。

コンクリートと木

ところで、近頃は木材の入手難と市街地などでは火災予防ということもあって、コンクリート建築が多く建てられます。施工方法も発達し、大建築では、鉄とコンクリートに頼らざるを得ないのも事実です。ただ、その寿命が問題で、願わくばコンクリート造りに寿命が倍化されたらと常々考えます。定期的に外壁の塗替えが必要になるため、メンテナンスもなかなか大変です。建物が早々に崩れることはありませんが、二百年の風雪に耐えられるかどうかは疑問が残ります。

上棟式の様子
上棟式の様子

その点、木造は実証されており、安心できます。東大寺の屋根修復に瓦を下ろしたところ一尺八寸も軒先が持ち上がったと伝えられ、長い年月を経てもなお一尺八寸もの還元力があることを見ると、木材の生命の脅威に驚かされます。

木造にこだわるロマン

科学の発達した今日では、木材の腐食は防げますが、唯一最大の弱点として「火災」という恐怖があることも否定できません。火災に注意し、雨漏りに留意すれば、木造建築は千年の風雪にも耐えます。縁あって努力奉仕させて頂いた建造物が施主様、施工者を超越して、五百年、千年も先のはるかな未来に、日本建築として生き続ける可能性は十分にあります。しかも、各時代の人々に、敬われ、愛され、いたわられながら。

現在、日本国内には建築用材も少なくなり、一番理想的な木曽檜などは「銘木」となり、用材としては非現実的なほど高価で、なかなか使えなくなりました。外国産木材も種々大量に輸入されておりますが、美しく丈夫で長持ちする木材は、量も少なく高価です。もはや木材で建築することは贅沢な時代になったのだと言えるかもしれません。

当工務所はこのような時代にも千年のロマンを楽しんで、日々の作業に努力し、皆様のご期待に沿えるような、「宮大工」であり続けたいと思っております。

【理想とする建築用材】
日本材=木曽檜・吉野檜・欅・桧杉・青森ヒバ
外国材=米ヒバ・米桧・米松・輸入欅

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